2000年6月

目次に戻る
★疲れ 6/10

 渡米生活も丸2ヶ月に達し、3ヶ月目に入ろうとしている。生活の立ち上げは、結構大 変で、疲れが溜るものであることを何度か書いてきた。今週、また疲れがどっと出てし まい、現在、出席している講義にかかわること以外は、ほとんど何もできなかった。
 日本国内での引っ越しも大変なのだから外国ではなおさらである。何派にも亙ってい ろいろな疲れが出てくる。最初は、時差ぼけと闘いながらの家探しが辛く、渡米後、数 日して疲れを感じた。2回目は、新居への引っ越しを追えた直後に疲労の蓄積を感じた。 今回は、3度目。基本的な1週間の生活パターンもでき上がり、気持ちのうえでは、ほっ としたときである。体の方にどっと疲れが出てきた。
 遂行しなければならないことがあるときは、緊張感があるせいか、疲れを感じること 無く過ごせてしまうものである。それが終わって、ほっとした時が一番やばい。今回の 疲労が一番ひどかった。元気になったと思えるまでに、1週間ほどかかってしまった。
 強い緊張感があればあるほど、その時は無理をして頑張ってしまうものである。そし て、無理をすればするほど、その後の疲労はひどくなってしまう。とにかく、海外赴任 者は頑張りすぎて体を壊しがちだと聞かされてきたから、無理をしないように気をつけ てきたはずなのに、気付かぬうちに無理をしてしまったらしい。1週間の生活ペースを 整えてしまえば、後が楽になると考えて、ちょっと張り切りすぎたのかも知れない。
 自戒を込めて、生活の立ち上げの時には、自分が頑張りすぎていないか、こまめにチ ェックするべきだ、といっておこう。

★DSL じゃなくて ESL 6/10 (2)

 先々週には、Adult School という名の、文字通り、成人のための学校で、外国人居住 者のために開かれている English as a Second Language (ESL) という講座へ参加する ための試験を(ようやく)受けた。以前にも書いた通り、英語に慣れない滞在者が、生 活に必要な英会話を身につけられるよう開かれている講座で、無料で受講することがで きる。私のような留学で滞在する人のみならず、これに同行する配偶者が通う学校とし ても非常に良い。まったく英語を解さないひとのためのクラスから、相当ハイレベルの クラスまで、きめ細かく講座が用意されている。先々週に受けた試験は、このクラス分 けをするための試験である。受講するクラスを決めるためだけの試験であるから、張り 切る必要はない。というより、張り切らずに少しぐらい手を抜いた方が良い。
 この試験は、筆記試験とヒアリングで構成されるが、試験結果は、本国の英語教育に 大きく依存するようである。日本人は、英文法にかんする高度な教育を受けているが、 英会話についての教育は、全くといっていいほど施されていない。したがって、日本人 が、文法試験の比重の高いこの試験を真っ当に受けると、往々にして、英会話の実力に 相応しないレベルの高すぎる講座へ割り当てられてしまうという。私は、ちょっと手を 抜いたかいもあって(?)、自分に相応のクラスに所属できたようである。もし、割り 当てられたクラスのレベルが高すぎると感じたら、1ランク下げてもらうよう申し出れ ば良い。
 ESL の教室は毎日開かれているが、当面、UC Berkeley での講義のない火・木に出席 することになる。

★さくらんぼ 6/11

 今日は、さくらんぼがりに出かけてきた。この周辺では、5月後半から6月初めぐらい まで、近くでさくらんぼがりを楽しめる。ムービング・セールで知り合った日本人カッ プルから、昨日、お誘いを頂き、同行させてもらうことになった。
 バークリーから、車で一時間ほど内陸に入った場所に果樹園がある。桃や xxxberry の類いを含めると、結構長い期間、果物がりを楽しめるのだが、さくらんぼは、今日が 最終日ということで、チャンスを逃すまいと出かけてきた。
 果樹園で育てられているのは、大半が、いわゆる「アメリカン・チェリー(black cherry)」だが、日本でお馴染みの品種(white cherry)も採ることができる。今日は、 思う存分、さくらんぼを頬ばって、そしてまた、たくさんのさくらんぼを持ち帰ってき た。ちなみに入場料は無し。その場で食べる分には全てただ。持ち帰る分だけお金を払 う。今日出かけた果樹園の持ち帰りは、1LB あたり $1.50、日本の基準になおせば 1kg あたり3百数十円といったところだ。安さに驚く無かれ。シーズンも終わりということ で、入場できる果樹園も限られていたのだが、シーズン最中の他の果樹園なら、もっと 安いらしい。
 アメリカの農業の規模の大きさは、今まで、知識としては知っているつもりであった。 しかし、実際の農場を目の前にすると、やはり圧倒される。とにかく規模が違う。日本 の農業とは比較にならぬ。さくらんぼ果樹園への道中、とうもろこし畑のわきも通った が、やはり、おそろしく規模が大きかった。ところが、同行の二人に言わせれば、目の 前のとうもろこし畑も、アメリカの中では、規模が小さい方だという。これ以上の大規 模農場ならば、日本の小さな農家が育てるものと比較にならぬほど、安く作物を育てら れるであろうことが容易に想像できる。
 谷間や傾斜地を利用しなければならぬ日本農業と、広大な平地を利用できるアメリカ 農業では、そもそも前提条件が異ならざるを得ない。日本農業の単位あたりの規模が小 さすぎることが、時折、問題として指摘される。この要因として、社会的・歴史的な理 由が挙げられることも多いし、事実それは否定できない事ではあるが、日本で、いくら 農業の大規模化を図ろうとしてみても、この地理的・物理的なギャップを埋めることな ど到底出来ぬ話である。

★カリフォルニアの運転免許(3) 6/17

 ペンディングにしていた話題についてふれておかねばならない。5/1 に次のように書 いた。

> DMV 職員の説明によれば、この仮免許と日本の運転免許証の組合せで、もう、カリ
> フォルニアで運転しても良いという。職員は、日本の運転免許証を提示させて、顔
> 写真を照合した後、(国際運転免許証の方ではなく)、日本の運転免許証の番号を
> 申請書類に書き込んだ。国際運転免許証を持参したものの、一回も使われることは
> 無かった。
> もっとも、(職員を信用しないわけではないが、) 法律をじかに確認したわけでは
> ないので、この情報には注意が必要。

 その後、さまざまな情報収集をした結果、日本の運転免許を持参して学科試験をパス し、仮免許を取得した時点で運転できる、ということは確かであることが分かった。た だ、厳密には 5/1 に書いた情報には、いくつかの誤りがある。

 まず、第1には、この「仮免許」自体が、単独での運転を許可するものになっていて、 日本の免許証を同時に携帯する必要はないという点である。仮免許だけで、その有効期 限まで運転して構わない。
 アメリカの国内居住者で、初めて運転免許を取得しようとする人が、学科試験に合格 したときに与えられる仮免許は、日本の仮免許と同じく、正規の免許を持った人が同乗 した場合にのみ運転が許される instruction permit である。日本の運転免許を持参し た場合に与えられる仮免許は、これとは異なるものである。

 第2には、次の記述も誤りであった。

> そもそも、州法によれば、国際運転免許証が有効なのは、入国後3ヵ月以内で、国際
> 運転免許証の有効期限が残っていても運転は出来ないとされている。私のような3ヵ
> 月を越える「居住者」に該当する人は、どちらにしろ、カリフォルニア州運転免許を
> 取得しなければならない

 州法によれば、「州内に住居を定めた日から10日以内に州政府の発給した運転免許証 を取得しなければならない」とある。カリフォルニア州の居住者となる者が運転をしよ うとする場合は、3ヶ月以内ではなく、10日以内に免許を取得をしなければならない。 逆に、居住者となる者ではなく、単なる旅行者であれば、3ヶ月のみならず、国際運転 免許証の有効期限まで運転できる。ビザ無しの観光・商用目的の入国は90日までだが、 観光ビザを取得すれば連続して180日まで滞在できるから、このような場合には、国際 運転免許証が90日を超えて有効となる場合がある。

 なお、カリフォルニア州政府は、このように法を定めているわけではあるが、アメリ カ連邦政府は、「1949年9月19日の道路交通に関する条約(ジュネーヴ条約)」を批准 しており、これに基づいて発行される国際運転免許証の主旨を鑑みるならば、国際法の 優先順位を考慮しても、国際免許証の有効期限まで運転が許されてしかるべきである。 また、住居を定めてから10日以内という制限は非現実的でもある。
 この点について、在サンフランシスコ日本総領事館は、「法的には、連邦政府におけ る「ジュネーヴ条約」加盟の趣旨を尊重し、カリフォルニア州の運転免許証を有してい なくても、我が国が発給した国際運転免許証を携帯していれば、無免許運転として処罰 されることはないはずです。」と述べたうえで、しかし、「(この)趣旨が現場の警察 官すべてに徹底されているかどうか疑問のあるところでもあり、観光及び商用等目的で 渡米された短期滞在者の方を除いては、早めに州運転免許証を取得されることをおすす めします」と述べている。合法か非合法かの問題はともかくとして、現実的対応として カリフォルニア州免許の取得を勧めているのである。

 第3に、国際免許の位置づけにかんする問題がある。「1949年9月19日の道路交通に関 する条約」に基づいて発行される国際運転免許証は、発給国(つまりこれを読む人々の 場合は日本)以外の、すべての締約国(現在90ヶ国)で有効である、と記述されている。 しかしながら、国際運転免許証は、基本的に本国で許された運転免許に基づいて発行さ れる物であるので、国際免許証だけではなく、本国の本免許証を同時に持っていないと その有効性を認めなかったり、国際免許証よりも、本国免許証(日本の免許証)の方の 通用力を重要視する国や州があるようである。カリフォルニアの場合も、カリフォルニ ア運転免許の取得の際には、国際免許ではなく、日本の運転免許の方が用いられたし、 レンタカーを借りた際にも、日本免許証の提示を求められた。
 したがって、渡米する場合、特にカリフォルニアでは、国際免許証を取得してあって も、日本の運転免許証を持参し、同時に携帯するべきであろう。


目次に戻る
岡田徹太郎 tetsuta @ ec.kagawa-u.ac.jp
香川大学経済学部