最初の「アメリカで打つ讃岐うどん」を公開してから1年余り、数多くの反響を頂いた。
なかでも、今年(2001年)3月に、サンフランシスコの日系新聞社の主催の、「アメリカで打つ讃岐うどん講習会」に講師として呼ばれたことは、とても印象深い出来事になった。
反響が大きくなるにつれ、次のような指摘が数多く寄せられるようになった。「レシピ通りに打ってもうまくいかない。」「どうしても団子状になってしまう。」などなど。寄せられた情報を見るにつれ、どうも「水が多すぎるらしい」ことが見えてきた*。次第に、私の当初の計量が間違っていたかも知れない、という疑念が湧いた。ならば、アメリカを去る前に確認しておかねばならない! というわけで、今回は、分量再計量の話。結果からいうと、当初の分量では、水が多すぎだったことが判明。小麦粉 2 cup に対しては、水 2/3 cup ではなく、1/2 cup 強が最適との結論を得た。前のレシピで試された皆さん、ごめんなさい。
実は、最初の「アメリカで打つ讃岐うどん」を執筆した後、自分では、カップではなく、「はかり」を使って、小麦粉の量を計っていて、間違いに気づかなかったのです!! 読者に対する裏切り行為! といわれても仕方ありません。猛省。以下は、小麦粉の種類別の実績報告です。(ちなみに、日本に居住されている方は、はかりでの計量が一般的だと思うので、きっと、このページの話は余り役にたちません。)
この段落は、細かい計算の話になるので、読み飛ばして次へ進んでも構いません。
多くの小麦粉は、2 cup で、概ね 300g。(もちろん、使ったのは、アメリカのカップで、日本のものとは異なる。)つまり、最適な「小麦粉の半分の重さの 10% 塩水」は、概ね、塩15g、水135cc (計150g) となる。塩15gは、大さじ1(すりきり)で、ちょうど計ることが出来る。問題は、水だが、135ccを、アメリカのカップに直すと、計算上 4.76oz となり、1/2 cup (4oz) よりも多く、次のメモリの 2/3 cup (5.33oz) より少ない。余り細かい話をしても仕方が無いので、レシピでは 1/2 cup 強とした。なお、「強」の部分は、ほんの少し、気持ち程度に増やせばいいだけである。カップに 5oz のメモリがあれば、それを超えてはいけないし、もちろん、2/3 cup のラインを超えてもいけない。とはいえ、これは、机上の計算から出た結論。計量カップの誤差もあるし、気温や湿度によっても、うどんの状態は変わってしまうので、あまり計量に神経質になる必要は無い。あとは、むしろ、経験的を積んで、自分の勘に任せた方が良いだろう。(古いレシピでは、カップに小麦粉を積めすぎたのか、小麦粉を1割ほど重めに計算していたらしい。)
その他の小麦粉にかんする情報を募集します。アメリカでは、「“小麦粉”はロビンフットとかなんとかいう帽子をかぶった男性の顔が横向きのマークの物」がもっともメジャーだという話も聞いています。残念ながら、小生にはこれ以上試す時間がありません。電子メイル までお知らせください。このページで紹介させて頂きます。
* Special Thanks 最初に我がレシピを試してくださった佐藤直子さま。講習会の後、いろいろと情報をお寄せくださった Mieko Watkins さま。アドバイスありがとうございました。
** Special Thanks 狩野京子さま。なお、カナダの 1 cup も、アメリカと同じであると言う情報もいただきました。ありがとうございました。
その他、レシピを発展させて、独自の方法で、さらに上手にうどんが打てるようになったという報告も何件か頂きました。ありがとうございました。よろしければ、詳細をお知らせくださいませ。