ドイツ留学記

佐々木 薫

 2004年3月から1年間、ドイツのボン=ライン=ズィーク大学に学部初の交換留学生として派遣され、様々な体験をし、人間的にも成長することができたと思います。 私と一緒に派遣された鈴木寛子さんも、2003年に開始された短期語学研修にも参加し、地理的にも馴染みのあるボンで生活することになりました。 知っている都市ということで、生活に対しての不安はそんなに多くはなかったです。 けれども、現地でお世話になる大学の先生やチューターとのコミュニケーションが全くできないことが、かなりのプレッシャーになり、最初は友達を作るのにもかなりの抵抗がありました。 到着してから大学で語学研修があるのではと期待していましたが、その準備はなく、二人で語学を上達させるには、自分たちでどうにかするしかないと奮起し、市内の語学学校に通いました。 そこでの勉強の成果が出て、ドイツ語の理解力は上がり、会話も徐々にできるようになりました。 ですが、大学の授業についていけるわけではなく、結局前期のテストは受けましたが、合格することはできませんでした。

 夏休みは香川大学と同じように約2ヶ月あり、その期間をドイツ語の上達に活用し、中級以上の経済ドイツ語研修に参加しました。 そこでは他の国からも参加者が多く、ロシアやトルコ、ポーランド人と交流することができました。 また、修学内容がとてもおもしろく、語学のレベルアップだけでなく、学外へ行き、企業では一体どのような仕事をしているのかという実地研修や就職してから必須になるプレゼンテーションの方法をPCを通して学んだり、簿記や会計のシュミレーションゲームをしたりと、普段の授業では体験できないことなので、関心を持って取り組むことができました。 この国際的な環境で、日本人としての意見、また私自身の見解を持って主張していくことが必要とされ、自己を振り返るきっかけになったと思います。 研修後は、国内の色々なところを旅行しました。 ドイツの気候は9月になってしまうと次第に寒くなるので、健康には気をつけて行動しました。 古代遺跡や国際河川を見ながら観光し、とてもゆったりとした時間を過ごすことができたと思います。 また、ビール好きな私は、オクトーバーフェストに行くことで、さらにドイツに魅了されました。天気はあいにくでしたが、規模の大きさに感動し、またその活気ある空気を十分に満喫し、みんな、ほろ酔い気分で楽しかったです。

 後期は、絶対に単位をとってやるという覚悟で望み、その結果、無事合格することができました。 私たちは初の交換留学生なので、今後の留学生を増やすためにも、先生方とお話する機会もあり、貴重な体験をしたと思っています。 やはり、語学習得における伸び悩みはあり、最初の3ヶ月が山場でした。先輩からも聞いていたことですが、それを乗り越えることで次のステップに進むことができるのだと思います。 私の場合、そこからさらにネイティブのような思考にし、話すことに苦労しました。 ある程度までは理解できるが、そこからが…という状態に陥ってしまったのです。それを乗り越えたのは、友達と理解できるまで話し合うことでした。 理解できず曖昧に対応してしまいがちですが、そこを改善することで、会話力、理解力はついていきます。 机に向かうよりも人と話すことのほうが好きだった点を活かし、国境を越えてかけがえのない友達を得ることができました。

 最後に、私がこのような成長を遂げることができたのは、多くの先生方のおかげです。 本当にありがとうございました。 そして、今後留学する方、したい方は、不安に負けることなく、前を向いて頑張ってください。 その環境に入ることで、見えてくることも多くあると思うので、そこからがお楽しみだと思います。本当にありがとうございました。

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