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――経済学部では、米国カリフォルニア州立大学(California Sta
te University)における研修プログラム(Issues in E
conomics and Business)を実施しています。今日はこのプ
ログラムについて、御担当のラナデ先生にお伺いします。まず、概要についてお教
えください。
ラナデ:このプログラムは、多くのキャンパスに分かれているカリフォルニア州立
大学のなかでも、一番大きいフラートン(Fullerton)校において、香川
大学の学生のために編成された講演を受講するというプログラムです。2005年
度から始まりましたが、昨年度は、経済学部三学科(経済学科、経営システム学科、
地域社会システム学科)の学生15名が参加しました。大学の隣に住み、経済・経
営の諸問題についての12回の講演を受けた後、私とそのテーマにつき討論をする、
10日間にわたる研修です。
――経済・経営の諸問題とおっしゃいますと、例えばどのようなテーマですか。
ラナデ:そうですね、昨年度のプログラムでは、環境経済、福祉経済、コーポレー
トガバナンス、そして、ラテンアメリカとアジアの比較経済分析などをとりあげま
した。一つの講演は75分間で、それに15分間の質疑応答の時間があります。こ
れを一日3回行いました。さらに、この後私と学生達でテーマ毎にさらに討論をし
ました。夕食は様々なレストランでとりましたが、その間も議論で盛り上がりまし
たよ。
――多岐にわたる興味深いラインアップですね。しかも一日に3回あり、さらに討
論がありますから、ずいぶん充実した時間ですね。もっとも、休む時間がないよう
に思えるのですが。
ラナデ:そんなことはありません。土日をはさんでいますから、その間は十分に楽
しめます。私が運転して、ロスアンゼルスを案内してあげました(笑)。大体、フ
ラートンはディズニーランドのすぐ近くにありますし、観光には恵まれています。
他にも、現地の大学生と懇談やボーリングをしたりするなど、レクリエーションに
も配慮しました。
――まさに、至れりつくせりとはこのことですね。ところで、このプログラムはな
ぜ、計画されたのでしょうか。
ラナデ:現在では、海外旅行は、大学生でもずいぶん身近なものになりました。そ
れでも、海外の大学で生活をし、その雰囲気を知り、学生同士語り合うような機会
は、留学しない限り難しいのが実情です。このプログラムであれば、留学しなくて
も上記の機会をうることができます。
また、研修先にフラートン校を選んだことも理由があります。このプログラムに
積極的に関わってくれた現地の先生は、D.Purkayastha先生(余談で
すが、この方は私の教え子でもあります)とナオコ・アカシ先生ですが、それぞれ
インド、日本から米国に移られた方です。同校では、このお二人だけでなく、中国
系、ラテン系、アフリカ系など、世界各国から来た教員で構成されています。また
学生にも多くの留学生がいます。つまり、同校で研修することにより、米国の人々
だけでなく、世界各国の人々と交流ができるのです。
――若いときにそのような経験をするのは、実に恵まれたことですね。では、この
研修に参加するための費用は、どの程度かかるのでしょうか。また、英語の能力は
どれほど求められますか。やはり、相当高くないと参加するのは難しいのでしょうね。
ラナデ:昨年度の研修では、一人あたりの参加費は渡航費を含めて12万円ほどで
す。この金額に尻込みする学生もいないわけではありませんが、参加した学生は、
10万円以上高くても参加する価値があると帰国後に言っていました。それから、
英語の能力ですが、もちろん高いにこしたことはありません。しかし、それよりも
重要な事は、経済学・経営学に関してきちんと勉強しておくことです。あくまでも
専門の講演ですから、たとえ英語ができたとしてもそれだけでは、内容を理解する
ことができないのです。なによりも、経済学部で、経済学や経営学についてきちん
と勉強することの方が重要です。
――日頃の勉強が大事なのですね。本日はどうもありがとうございました。
(ラナデ・ラビンドラ・ラグナット、経済学部教授、数理経済学)