home > 教育・研究 >講演会・シンポジウム> 講演会「最近の財政・金融情勢について」
5月26日(水)13:00〜14:40、E31講義室において、四国財務局長の河野邦明氏による講演会「最近の財政・金融情勢について」が開催されました。河野氏は香川大学経済学部のOBであることもあって、自らの豊富な経験をもとに、後輩の学生が今後社会に出てから役立つようにと金融・財政に関する幅広いトピックスを熱く話していただき、130名ほど参加していた学生も集中して耳を傾けていました。
河野氏は、まず近年の世界的な経済危機を受けて日米欧の先進国がマイナス成長になる中で、中国が世界経済のけん引役になっていることを示され、特に学生が生まれてから現在までの約20年間で日米中の貿易関係がどのように変わったかを視覚的に分かりやすく説明されました。また英国で起こった取り付け騒ぎの様子を、写真を用いて紹介されました。
次に、バブル崩壊以降の日本の経済動向と金融の対応を、グラフを用いて時系列的に丁寧に説明されました。特に株価の動きや不良債権の状況、銀行の再編の動き、会社制度・会計制度の整備状況に焦点を当てて説明されました。
そのあと今度は香川県の銀行の財務諸表を例に挙げ、銀行業がどのように収益をあげて、どのような費用がかかるのか、銀行が地域の中小企業にどれだけ重要な役割を果たしているかを分かりやすく丁寧に解説されました。またあってはほしくないことだと断りを入れられた後で、銀行が破綻した場合の処理スキームを説明されました。
さらに財政についても、日本の財政事情が悪化していることや少子高齢化が特に四国では急速に進んでいることを強調された後で、今のままの年金制度では学生がこれから社会に出た後の負担が非常に大きくなると懸念を示されました。
また四国の地図をもとに、四県にどのような地場産業があるかを細かく紹介された後に、積極的に四国経済を活性化させるための工夫を私たち自らが考えていかなければならないこと、そのための地方大学の役割は大きいことを強調されて講演を終えられました。 最後に学生から郵政民営化が民間の金融機関に与える影響についての質問があり、河野氏は、基本的には出資主体の違いであるとされた上で、民間の金融機関は経営の健全化に努めるとともに、普段からディスクロージャーを積極的に行うことが重要だと述べられました。