地域社会システム学科
地域社会システム学科
21世紀に入り、経済をはじめとし様々な分野でグローバル化が進展し、我々がビジネスや観光で世界の様々な地域を訪れ、また世界から人々を受け入れる機会も格段に増えつつある。相互に相手の地域を訪問し交渉するときに、相手の地域についての知識を持たなければ、相互の理解は生まれない。地域社会システム学科では、社会に対する深い理解力と分析力を備え、広く国内外のビジネスシーンで活躍できる人材を育成するために、外国語の修得と並行して、自国をはじめとした世界各地域の社会・文化・歴史を総合的に学習するプログラムを用意している。「国際社会文化履修モデル」では世界各地域の多角的で総合的な研究を通じて国際感覚とコミュニケーション能力を養う。「ツーリズム履修モデル」では実際の地域の現象を素材として、持続可能な産業としての観光学について学ぶ。両履修モデルともフィールドワークや外国語研修を通じて実践に適応できる能力を育成する。
(1) 国際社会文化履修モデル
国際社会文化履修モデルでは、まず、ヨーロッパやアジアといった広域の地域について、経済、社会、文化、思想の観点から多角的・総合的に学び、その地域の全体的特徴を把握し、次に、それらを基礎に、演習や卒業論文で、それぞれの関心に従って、特定の地域について任意の観点から調査・研究を行い、卒業論文にまとめる。また、世界の各地域について確かな知識を獲得するために、外国語を使って直接に現地の情報を入手して分析したり、あるいは、それらの情報やスキルを活用するために、インターネットによる情報の入手や発信を実践する。これらは企業等の海外取引業務や自治体の国際交流業務にただちに役に立つ。さらに、本履修モデルでは、学生が、少人数による体験型学習を通じて課題発見の意識を育み、演習や卒業研究の場で、その課題を探求し資料を調査して報告書 (卒業論文) としてまとめ上げることができるように、組織的にもカリキュラム的にも、配慮がなされている。卒業論文の作成で培った文章能力は、企業等での報告業務などに効力を発揮するであろう。
(2) ツーリズム履修モデル
ツーリズム履修モデルは、観光を学問対象とするコースである。ツーリズムは21世紀のリ-ディング産業といわれ、わが国でも「観光立国」が提唱されるなど、近年ますます注目を集めている。本履修モデルでは、ツーリズムに対し、次の三つのキーワードでアプローチする。第一に、「現場主義」をあげる。授業や演習(ゼミ)において、現場に足を運び、現場から考える、現場重視の授業を実施する。次に第二の「持続可能性(サステイナビリティ)」である。現在、時代のキーワードは「大量生産・大量消費」から「持続可能性」に移っている。このことは産業・商品としての観光についてもあてはまる。持続可能な観光をいかにつくりだしていくかが、これからの課題である。経済的に、エコロジカルに、社会的に、そして文化的に持続可能な観光とはどのようなものかという課題に取り組む。第三には、「賢い観光者」をあげる。「観光は平和へのパスポート」といわれるように、観光には異文化理解という側面がある。本履修モデルではこのようなアプローチも観光学の重要な柱のひとつと位置づけ、各国各地域の社会、文化、言語の学習を通して、考え深い、豊かな可能性をもった人材を育てるという課題に取り組む。