学生の取り組み+学生インタビュー
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学生の取り組み+学生インタビュー
モザンビークで野球を教えています。
Question.1 具体的にどのような活動をされているのですか?
アフリカ大陸南東部にあるモザンビーク共和国において、今は主に小学生に野球を教えています。 モザンビークではこれまで野球は普及しておらず、私が初めて本格的に野球を伝えたことになります。野球の「や」の字も存在しなかった国で指導をすることは、とても困難なことです。グローブやバットなどの道具はもちろん現地にはないので、日本で道具を支援していただける人々の支えがあって初めて野球ができるようになりました。 また、現地語がポルトガル語であり、日本語も英語も満足に伝わらない中で指導をしています。そして、2014年夏には王貞治氏が理事長を務める世界少年野球推進財団が主催する第24回世界少年野球大会に指導を受けた小学生5名が参加しました。モザンビークに行くことのできるのは長期休暇中だけですが、日本にいる時は小学校から大学までの教育現場で講演をさせていただくなど、「日本とモザンビークを野球でつなごう、モザンビークにキャッチボールと平和の輪を広げよう」という思いで活動しています。
Question.2 モザンビークはどのような国ですか?
アフリカ大陸南東部マダガスカルの対岸に位置するモザンビークはインド洋に面しており、とても美しい海を持つ国です。日本との交流は古く、織田信長に仕えたとされる弥助はモザンビーク出身であると言われています。 現在はアルミニウムや天然ガスなどの天然資源が豊富であるので、日本の企業も多く参入しています。歴史的には、旧ポルトガルの植民地でした。1964年から独立戦争を戦い75年に独立しましたが、独立後内戦が勃発し92年まで戦いは続きました。世界の中で、とても貧しい国であると言われることもありますが、経済発展も進み都市部では高層ビルも多く建っています。
Question.3 何故そのような活動をしようと思われたのですか?
高校時代にJICA(国際協力機構)の青年海外協力隊として発展途上国で野球を教えておられる方のお話をお聞きした時に、自分も国際協力の道に進んで、海外で人のために働きたい、そして他人がやったことのない経験を積みたいと思いました。(この時は、まさか自分も発展途上国で野球を教えることになるとは思ってもいませんでした。) また、自分の目で発展途上国を見てみたい、さらに言えば、知らないことが多いアフリカの国に行ってみたいと思いました。将来は、どこにもいない様な先生になりたい、国際協力の道に進んでから社会事情を教えられる先生になりたいと思っていたので、国立大学の教育学部ではなく人文社会系の学部で社会科の教員免許を取れる大学、さらに広く国際的なことを学ぶことができ、社会の現場で様々な経験をすることのできる大学を探していたところ、香川大学経済学部地域社会システム学科国際社会文化コースが目に留まりました。そして推薦入試を利用し、自分のやりたいことそして思いを面接で伝えました。受験時に書いた志望理由書の内容は今のところ現実のものになっています。今では香川大学経済学部は自分の目標を追いかけるにあたり、すごく恵まれた環境であると感じています。
Question.4 活動の中で嬉しかったことは何ですか?
野球を教える子どもたちは、誰しもが初心者です。皆さまも味わったことがあると思います。初めてボールを捕った瞬間、初めてバットにボールが当たった瞬間を。その時の喜びを子どもたちと分かち合うこと、それが一番の喜びです。片言のポルトガル語しか話せないため、うまくコミュニケーションは取れませんが、野球が私と子どもたちの距離を縮めてくれていると感じています。
Question.5 活動の中で苦労したことは何ですか?
やはり言葉の壁、文化の壁、また途上国であるが故の壁でした。常に電子辞書をポケットに入れて生活をしましたが、うまく自分の思いを言葉で表現ができなかったことに苛立ちを感じていました。また、自分が当たり前だと思っている行動が失礼にあたっていないかと気を使ったり、生活インフラが万全の状態とは言えない環境にあるので、衛生面や安全面には特に注意を払う必要があったことです。
Question.6 今後の目標を教えてください。
2014年の春・夏とモザンビークを訪れた際は短期間であったため、時間的に納得のいく指導ができていませんでした。私自身、野球をしたいと思う子どもたちがいる限り、野球の楽しさを伝えるために渡航したいと思っているので、大学を休学し、長期間モザンビークで生活したいと考えています。 そして、現地で野球に興味がある青年に野球を指導し、指導者の養成に努め、モザンビークでの野球の普及に尽力したいと思っています。ただ野球をやっているだけならモザンビークで野球をする必要はありません。野球を通じて「人づくり」を行う、さらには「平和の構築」に寄与することが野球交流事業の最大の目的です。リーダーシップやチームワーク、他者を思いやる気持ちなどを持ったモザンビークを引っ張っていくリーダーを育成していければと思います。長期的には、モザンビーク代表の野球チームが国際舞台で活躍してくれること、野球やスポーツを通じて国際平和に寄与できることを目標としています。
Profile
山下貴史さん(2回生 取材時〈2014年10月〉)
所属学科:地域社会システム学科
出身地:奈良県
出身高校:奈良県立桜井高等学校
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