経済学部ブログ
教員&研究室紹介12(宮脇秀貴研究室 専門分野:管理会計、原価計算、マネジメントコントロール)
2016年6月23日
経済学部教員及び研究室を順次紹介しています。
第12回は宮脇秀貴研究室の紹介です。
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教員からの研究紹介:宮脇 秀貴(経営システム学科)
私の現在の研究テーマは「エンパワーメント」であり、理論を構築し、現実の人(学生や組織成員)の行動にフィードバックしています。ちなみに、「エンパワーメント」とは、ある理念や目標の下で、人の潜在能力を引き出し、彼らの自律的な行動を促すマネジメントです。私の研究室では、学生をエンパワーし、社会に出た時に必要となる「自分で魚を釣ることができる人間力」を磨いています。なぜなら、現実の社会には、釣り堀のように道具とえさが用意され、糸をたらせば魚を釣れる環境はなく、自分で道具を作り、えさを用意し、釣れそうな場所を調べて、実際に釣らなければならないからです。まずは、地道に時間をかけてコツコツと道具の作り方などを覚えなければならず、それらができるようになって初めて、次に、経験を積み、創造的にトライすることができるようになります。規律(地道な努力)の先にしか、創造性(応用力)はもたらされません。なぜなら、型を知らなければ、型を破れないからです。具体的なゼミ活動の内容は、下欄のゼミ生からの紹介文を見て下さい。
《ゼミナールOB・OG会:忘年会》 《アメリカイリノイ州:親友宅でのホームパーティー》
そもそも「人間」とは、人の間に存在する生き物であり、「人間力」とは、人の間で発揮される力です。その力には、表現力やコミュニケーション力は勿論、論理思考力や文章・資料作成能力なども含まれますが、一番大切なものは「人を思う力」です。なぜなら、私たちは、関係がないように見えても、必ずどこかで繋がりを持っており、関係性の網の目を構成する一員だからです。また、大学は、社会と切り離された存在ではなく、社会の繋がりの網の目の中の構成要素であり、同じ網の目の構造がフラクタル(自己相似)に存在する関係にあります。したがって、あなたが大学で蝶のように羽ばたいた行動は、他の人や社会に影響し、関係性の網の目を変化させ、廻り廻ってあなたに跳ね返ってきます(これをバタフライ効果と言います)。そして、関係性の網の目が少しでも変化すれば、私たちは誰もが、機動戦士ガンダムで言うところの「ニュータイプ」なので、その変化に適応しようとします。なぜなら、暑くなれば汗をかくように、人の脳は、現実の物理的な環境とホメオスタシスのフィードバック関係という恒常性の関係を結ぶからです。さらに、人は、例えば、恋愛ドラマで胸がキュンとなるように、現実だけでなく仮想世界(目標やイメージなど)ともその関係を結ぶことができるのです。つまり、将来の目標やイメージは勿論、自分が所属する環境が、あなたという人の「人間力」の形成に大きく関わっており、いかに大切であるかを理解できると思います。
私たちは全員、可能性を持った「ニュータイプ」です。だからこそ、社会とフラクタルで、バタフライ効果を実感でき、「人間力」を磨くことができる環境とホメオスタシスのフィードバック関係を結ぶべきだと思います。なぜなら、社会に出るまでの時間が限られている中で、現実社会に適応する準備を行わなければならないからです。そして、エンパワーされた学生たちは、その人なりの人間力を身に付け、全国あるいは地域の優良企業へ就職し、活躍しています。
学生からのゼミ紹介:濱田 奈津実 さん(4年生)
宮脇研究室では、「管理会計情報」と「エンパワーメント」という2つの分野について学んでいます。まず、「管理会計情報」の分野では、グループ議論を通して、多角的に経営の意志決定を行う力を磨いています。例えば、普段の授業では、「マクドナルドは半額セールを行うべきか?」や「釣具屋は閑散期に在庫一掃セールを行うべきか?」などのケース問題を用いて、会計などの知識を身に付けながら、意志決定の方法を学んでいます。また、オープンキャンパスでは模擬ゼミを2015年まで3年連続で任され、ビジネスゲームを高校生と共に行い、限られた時間内に分かりやすく説明して、意志決定を促す経験を重ねました。
次に、「エンパワーメント」の分野では、ゼミナール活動の運営やJ2所属のカマタマーレ讃岐との共同イベントの企画・運営を通して、人と協働する力を身に付けています。カマタマーレ讃岐との共同イベントは、4年前に、当時のゼミナール幹事の福田晋太郎さんが起案したイベントであり、現在では、Pikaraスタジアム(丸亀競技場)で行われるホーム試合の際に、約4,000人のお客様を対象とした企画を学生自ら考え、香川県庁や高松市役所の方々などに提案し、高校生と共に運営を行っています。昨年開催した「高松市ホームタウンデー2015」と「かまたまつり2015」の様子は、経済学部のブログでも紹介されていますので、是非ご覧下さい。
《カマタマーレ讃岐との共同イベント:集合写真》 《ゼミナール&イベントの打ち合わせ風景》
他には、自由なテーマのプレゼンテーション練習を1年間ペアで繰り返す中で、物事を論理的に考える力や相手と調整する力、情報を的確に伝達する力を高めています。
以上のような活動を通して身に付けた力を活かして、宮脇研究室のゼミナール生やOB・OGは様々なフィールドで活躍しています。
例えば、4年生の大塩宝は、昨年の8月より、「ネクストプログラム」という香川大学の留学制度を活用して上海大学に1年間留学しています。他にも、同じく4年生の武村昂紀は、文部科学省の官民協働海外留学支援制度「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」に採択され、昨年の9月から1年間、ドイツのラインマイン大学に留学しており、現地では、サッカー日本代表・岡崎慎司選手がアドバイザーを務めるドイツ10部の「FCバサラマインツ」というサッカーチームでインターンシップを行っています。また、卒業生は、例えば、東京海上日動火災保険株式会社や日本銀行、四国電力など、様々な企業で活躍しています。
このように宮脇研究室では、幅広いゼミナール活動を通して、色々な関わりの中で、実践的に社会人基礎力を身に付けており、その力は、学生生活や就職活動、そして社会で働く際に大いに発揮されています。
《中国・上海の南翔饅頭店で友人と小籠包ランチ》 《ドイツ・休日にミュンヘンのオクトーバーフェストへ》
☆☆☆ これまでに紹介した研究室 ☆☆☆ No.1 原直行研究室 No.2 天谷研一研究室
No.3 古川尚幸研究室 No.4 髙橋明郎研究室
No.5 岡田徹太郎研究室 No.6 青木宏之研究室
No.7 水野康一研究室 No.8 大野拓行研究室
No.9 向渝研究室 No.10 大賀睦夫研究室
No.11 加藤研究室