経済学部ブログ
教員&研究室紹介23(横山佳充研究室 専門分野:応用計量分析)
2016年12月19日
経済学部教員及び研究室を順次紹介しています。
第23回は横山佳充研究室の紹介です。
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教員からの研究紹介:横山 佳充(経済学科)
私自身は最近、多変量の相互依存した統計的消費モデルの構築に興味があることもあり、本研究室では、学生の教育の方向性として、統計や計量的視点に立った経済分析を行うことを目的としています。本来、私自身、帰納的に考察を行う上では、経済的現状の把握や将来の見通しに関してはデータ等を用いて客観的になされるべきであると考えますが、世の中の多くの局面では本来の客観的な事実とは別物の都合の良い事実提示や、主観的な主義主張に起因していることが散見されるケースがあるようです。そうした意味で、統計学は自然科学や社会科学においても客観性を有する学問とされており、統計学を学習することは、偏見や偏狭な意見を排除して科学として現状把握や将来判断には役に立つと考えています。以上のような背景から、3年次においては統計的な分析方法をコンピュータを用いて学ぶことを主目的としています。初めに幾分方法論としての側面はありますが、コンピュータを用いて分析を行うことで客観的な分析手順について考察します。考えてみれば統計分析はコンピュータと親和性があり、ここ20年くらいのパーソナルコンピュータの発達により高度な統計分析も比較的簡単に行うことができ、学生は今後必要になるであろうビッグデータなどの対応能力を培うことができるのではないかと考えています。振り返ると、私の学生時代はほとんど統計分析の数式展開に終始し、実際コンピュータによる解析などは様々な制約があり容易に行うことはできませんでしたから、学生が、自分自身で実際に経済分析の手法を行える環境にあるということは、私にとって隔世の感を禁じえません。時代の進展とともに学生自身が自分の力で、実際の分析方法を習得できる環境というのは恵まれているなと感じています。
ゼミでは毎回発表者を決めて、順番にテキストに従い他の学生の前で分析方法を再現することを行って、そのプロセスの過程でコンピュータの応用に関する技術的側面を習得するとともに、分析方法を理解できるよう努めています。本音を言えば、現在簡単に行える分析の理論的な背景を学生に調べてきて発表時に学生に解説して欲しいところですが、学生各位の基礎知識も考えて、私が必要に応じて補足説明しています。
4年次においては、3年次の統計分析法を基礎に、経済分析を行っている資料(最近は『経済財政白書』が多い)を輪読し、実際に応用できるかどうかを若干の議論も含めて行っています。3年次のゼミが方法論習得中心であるので、議論や自分の意見を付け加えにくい側面はありますが、4年次のゼミでは分析方法に立脚したうえで、議論等を通じ、自分の意見を再構成することができます。最終的に、学生は卒業論文を作成せねばならないため、4年生では卒業論文のテーマを決めた後、輪読に加えて非定期で卒業論文の作成過程に応じて発表を行ってもらい、卒業論文を作成できるように指導しています。
学生からのゼミ紹介:森 菜那 さん(3年生)
私たちのゼミは、教科書のデータを用い、エクセルを使って統計学について学んでいます。授業の進め方は、まず章によって発表者を決め、発表者は事前に自宅で予習をしていきます。そして発表者が説明しているパソコンの画面が前のスクリーンに映し出されるので、それを見ながら他の学生も一緒に実践するという形式です。章が進むにつれてだんだん難しくなっていきますが、エクセルを扱う上で基礎的なことは多く身に付いていると感じます。9人という少人数だからこそ、誰かが分からなくて困っているとき、周りの人が助け、学生同士の仲も深まっています。また、先生が違うやり方を教えてくれたり、細かく分かりやすく説明してくれるため、最初は何も分かっていなかった私たちも、理解することができています。エクセルは、これから社会に出ても大変役に立つ技術だと思うので、大学生のうちに詳しく学べてよかったと思います。3年生ゼミ風景 4年生ゼミ風景
☆☆☆ これまでに紹介した研究室 ☆☆☆ No.1 原直行研究室 No.2 天谷研一研究室
No.3 古川尚幸研究室 No.4 髙橋明郎研究室
No.5 岡田徹太郎研究室 No.6 青木宏之研究室
No.7 水野康一研究室 No.8 大野拓行研究室
No.9 向渝研究室 No.10 大賀睦夫研究室
No.11 加藤美穂子研究室 No.12 宮脇秀貴研究室
No.13 金徳謙研究室 No.14 姚峰研究室
No.15 朴恩芝研究室 No.16 宮島美花研究室
No.17 宮﨑浩一研究室 No.18 大杉奉代研究室
No.19 園部裕子研究室 No.20 井上貴照研究室
No.21 金澤忠信研究室 No.22 柴田明研究室
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