経済学部教員及び研究室を順次紹介しています。
第30回は緒方宏海研究室の紹介です。
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教員からの研究紹介：緒方　宏海（地域社会システム学科）

　緒方研究室の専門は、文化人類学です。私は、東アジア、中国をフィールドにして、農村や漁村島嶼コミュニティの政治参加や経済、風水、民間信仰などについて研究しています。
　文化人類学は、世界各地に暮らす諸民族、諸社会を対象にして、文化の多様性と普遍性を包括的に研究する学問です。そのために人類学者が採用する研究方法がフィールドワークです。人類学的フィールドワークとは、自分とは異なる社会的な営みの現場に飛び込み、その営みに自らも参与しながら、異文化や現代社会の諸問題について調査を行う研究手法です。
　学生は、文化人類学を学ぶことで狭い視野を捨てフィールドに赴き、目の前に広がっている人びとの営みや地球規模で、人間社会の諸問題を深く分析する知識と方法論を修得することができます。
　ゼミでは、政治、経済、宗教と文化、グローバリゼーションなど、現代社会を理解する上で不可欠なテーマについて、文化人類学の文脈の中でいかに探求されてきたのか、その研究蓄積と隣接する社会学的及び経済学的観点から学びます。学生が自らの文化から解き放たれて、異文化を深く理解すると同時に、自国の文化を相対化できる能力、多文化社会で生きる力を身につけることを目指します。

　　　　　世界遺産、中国福建省土楼の調査　　　　　　　　　　　　　中国遼寧省、墓地風水の調査

学生からのゼミ紹介：増田　有美　さん（3年生）

　緒方ゼミは、文化人類学ゼミです。ゼミ生が各々の興味に基づいて、地域・テーマを選択し、文化人類学的手法で研究を行っています。
　ゼミの時間は、主に研究の発表や輪読を行っています。夏期休暇中には、多度津町の高見島で調査を行いました。ゼミメンバー各自が祭りや近所付き合い、島民の習俗等、自分の興味に沿って島民の方々にインタビューし、統計資料や文献調査等を行い、現在の高見島について『文化人類学調査実習報告書』をまとめました。
　文化人類学の面白いところは、世界から日本を見るところ、地域文化を客観的に見るところです。これまで、消費や資源、観光の視点から見ていた地域を、広く客観的に見ることで、新たな発見があり、より深い理解を得ることができることが緒方ゼミの魅力だと思います。

　　　　　　　　　ゼミ講義の風景　　　　　　　　　　　　　　高見島における海上平穏、豊漁祈願の調査

　　　　　香川民俗学会会長西山先生とともに、　　　　　　　　　　　　　高見島森田屋にて、
　　　　　　　高見島にてフィールドワーク　　　　　　　　　　　　　　郷土料理「茶粥」の調査

　　☆☆☆　これまでに紹介した研究室　☆☆☆　　　No.1　原直行研究室　　　　No.2　天谷研一研究室
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　No.3　古川尚幸研究室　　　No.4　髙橋明郎研究室
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　No.5　岡田徹太郎研究室　　No.6　青木宏之研究室
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　No.7　水野康一研究室　　　No.8　大野拓行研究室
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　No.9　向渝研究室　　　　　No.10 大賀睦夫研究室
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　No.11 加藤美穂子研究室　　No.12 宮脇秀貴研究室
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　No.13 金徳謙研究室　　　　No.14 姚峰研究室
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　No.15 朴恩芝研究室　　　　No.16 宮島美花研究室
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　No.17 宮﨑浩一研究室　　　No.18 大杉奉代研究室
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　No.19 園部裕子研究室　　　No.20 井上貴照研究室
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　No.21 金澤忠信研究室　　　No.22 柴田明研究室
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　No.23 横山佳充研究室　　　No.24 久松博之研究室
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　No.25 RANADE,Ravindra R.研究室
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　No.26 松岡久美研究室　　　No.27 西成典久研究室
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　No.28 佐藤忍研究室　　　　No.29 沖公祐研究室